カメラ業界が最終的にはソニーVSキヤノンになるのは目に見えていた。
というのも、デジタルカメラに重要な要素、レンズ、センサー、撮像素子、画像処理エンジンを自社製で賄えるのはソニーとキヤノンだけだからだ。
ほかのメーカーは、ほぼほぼソニー(タワージャズなどもあるが無視できるシェアだろう)から買うしかないので、コストは嵩む上、最新鋭のものを搭載できない。
儲かっている間にセンサーの内製を始めなかったニコンの終わりは10年以上前に見えていたのだ。
ソニーがレフをやめたとき、つまり、ソニーがデジタル一眼の市場を本気で狙ってきたときに、ニコンは終わったのだ。なぜなら、それまでニコンのセンサーがキヤノンよりも優れているとされていたのは、ニコンの機種はみなソニーの最新鋭を使っていたからだ。
本格参入したソニーは、当然だが、ニコンに最新鋭のセンサーは卸してくれない。だからD6はD5から進歩しない。
胡坐をかいていたニコンは撮像素子だけでなく、画像処理エンジンも内製ではないので、どんどん遅れていく。
この点、パナの出来の良くないセンサーを5年以上更新せずに、あの手この手でそれなりに戦ったオリンパスの努力を見習うべきだが、オリンパスも撤退したので、まあ、無理であろう。
MFTの評判の悪さはセンサーを中々更新しないことにあるように思うが、それでも手振れ、ハイレゾ、レンズそのものの性能などで古臭さは意外と感じなかった。
例外的なのがパナソニックで、現在パナのセンサーはソニー製だが、オリンパスにLiveMosを供給していたし、ライカにも恐らく供給しており、パナは本来センサー内製能力を持つ。
画像処理エンジンもパナは子会社製なので実質、内製と同じだ。
いまのところ、パナがどう転ぶかはわからない。
リコーはセンサーも画像処理エンジンも内製できず、レンズもタムロンのOEMなのでK-3iiiはクソ高くなるのは避けがたい。とはいえ、ニコンも内製できるのはレンズだけなので時間の問題だろう。
富士フイルムもレンズ以外は内製ではないが、そもそもあそこはチェキの方が稼いでいる(数倍の規模)ので、そっち方面で考えればフイルムは自社製なわけだから、こっちがいまも本業だろう。富士の場合、デジカメはサイドビジネスにすぎない。
あとはシグマだが、AFがクソだったりするところから考えて画像処理エンジンは完全に他社製で設計もできていないと思われる。ただ、子会社がセンサーの内製を可能としているので、意外といける気がする。
個人的には、次に撤退するのはニコンだと思う。