Camalpaca

なんかアクセスが増えて驚いてます。多くの人が見ていると思うと急に過去の文章が恥ずかしくなってきたので、誤字脱字とか雑な改行や色変えとか直そうかなあと思います。よろしくお願いしますね。いったん修正した記事も戻していくので、また来てくださいね。

カメラは家電になったのか? 否、カメラは最初から最新鋭マシンである。

 ふと、カメラというのは時代の最先端機器だったということを思い返した。

 戦前、ライカコンタックスが家が買えるほど高かかったのは、嗜好品だからではない。それだけの技術が詰め込まれていたのだ。超高度な技術の結晶であって、装飾品が高いのとは違う。

 そもそも、ライカコンタックスは小型軽量をなしとげたエポックだ。
 当時、写真家は旅行鞄のような巨大なかばんを持ち歩いた。そうしないと道具一式が持ち運べなかったのである。

 しかし、ライカコンタックスは小型化に成功。
 フイルムさえもっていけばどこでもいつでも撮影でき、報道やネイチャーフォトにとって革命的な効果をもたらした

 フォーカルプレーンシャッターはコンマ秒の世界での制御が必要だった。α9xiでは1/12000まで到達した。
 なんと0.000083秒である。

 セレン光電池に始まる自動露出キヤノンA-1で完全電子制御となった。
 1978年である。
 まだ簡単な電卓が1万円ほどした時代(現在の感覚だと3~4万だろう。高いな!!)だ。まだ半導体は民生品ではあまり使われていない頃だ。

 さらに1985年にα7000が世に出るが、位相差AF自体は現在の撮像素子と同じ原理のものだ。
 正確に測距する技術はFAユースでは必須だし、値段も高い。現在もキーエンスのデバイスの値段にはびっくりする。
 そんな半導体素子が一眼レフカメラごとき」に搭載されるのである。

 AFではDCモーターだけではなく、超音波モーターなど非常に精緻な位置決めのできるモーターが開発された。

 そして、そもそも光学装置は最先端技術そのものだった。

 だからカメラは輸出制限があったり、光学系企業の売買には制限があったりした。
 そもそも、ニコンもツァイスも元来は軍需企業で戦艦や砲撃用の測距儀や望遠鏡、双眼鏡をつくっていたのだ。

 カメラメーカーが、半導体露光装置やOA機器をつくっているのは、カメラが最先端機器だったからに他ならない。
 そのフィードバックで新しい事業に乗り出していったのだ。
 コニカミノルタはいい例だろうし、カメラ本体の技術ではないが、フイルム技術で医療メーカーとなった富士フイルムなどがある。

 だから、AIが搭載されたり、メカから電子へとシフトしていくのは「技術の最先端」を詰め込んだら必然的にそうなるのだ。

 ただ問題なのは、これまで確かに機械、電気、半導体分野では常に最新鋭の技術を日本のメーカーが投入できていたが、AIになると微妙になってくることだ。
 2010年頃まで日本のデジタル一眼レフは誰もパクることができなかった。
 技術的最先端だったからであるし、シャッターやプリズムは枯れた技術かもしれないが、一朝一夕でどうにかなるようなテクノロジーではなかった。

 パナソニックですら無理筋だったのでオリンパスに協力を得なければならなかったし、Samsungは旭光学、SONYミノルタをそれぞれ、提携するなりして開発しなければならなかった。

 カメラは最新鋭技術そのものだ。いつの時代も。

 だからSONYのαは間違いなく「技術的歴史から見ればまさに正当中の正当」である。なにせ、如何なく最先端技術(なぜかタッチパネル搭載が遅かったが)を詰め込んでいるのだから。

 SONYは次々に新技術を盛り込んでいく。

 そして、カメラの歴史につきものなのは、「最先端技術を必要とするがゆえについていけないメーカーは滅びる」ということだ。
 それも、あっという間に。

 ライツは一眼レフを製造できずに倒産し、ツァイスもまたついていくことができず京セラにライセンスを売ったが、その京セラもデジタル化についていけず撤退した。
 三大メーカーと言われたミノルタはあっけなくデジタル化で躓き、オリンパスもカシオも一時代を築いたにもかかわらず去った。

 その代わり、ライツとツァイスの衰退に対して、一眼レフ参入の日本勢が勃興していったように、新しい技術が入ってくると、退場するものと、そして新しい参入者がでてくる。
 新興勢力として、パナ、ソニーSamsungが加わったが、パナは低迷し続け、Samsungは去った。そして、新しくDJIがハッセルを買収し、ミラーレスに参入しようとしている。

 現在、キヤノンSONYが最先端をいっているといっていいだろう。

 自社に様々な事業部があるSONYは強く、また、ソフトウェアやOA機器を扱っているキヤノンも強いが、そういった分野を扱っていないニコンは遅れ気味になっている。
 富士フイルムはなんとか食い下がっている。

 そう考えると、先にも言ったように、αこそが最先端の民生機器としてのカメラの王道といえる。

 αという名前が体現しているかのようだし、そういうニュアンスを込めてミノルタはα7000をリリースしたのだろう、とは思う。