カメオタは全力で否定するに違いない。そんなことはりえない、と。
妄信する大好きなライカの35mm版の世界が崩壊するなんて、と。
しかし、私はMFTは勝利し得たと思う。
協賛企業のはずの富士フイルムがAPS-Cではなく、MFTでXシリーズをリリースしていれば。そしてソニーが参加要請を受諾していれば。
ではなぜ、そうなるのか。
まず、MFT内でクロスライセンスが結ばれるだろう。
これはパナがSSWFを使えたことからもわかる。OMDSになったとたん、このクロスライセンス契約は消えた。だからSシリーズにSSWFはない。
で、クロスライセンスが結ばれるということは、パナだけではなく、ソニーも富士もオリンパスのSSWF及び手振れ機構を使えるわけだ。
最近(X-H1)まで手振れ補正を搭載することすらできない技術力だった富士のカメラが最初から搭載して登場するわけだ。
4社連合で技術力は高まるわけだ。
逆に、各社富士のスーパーハニカムを使えるし、フィルム名だって使わせてくれるかもしれない。そしたら、かつて存在したパナのアホみたいなフィルムモードの名前もまっとうになる。
そして、ここが大事だが、フルもAPS-CもラインナップせずMFT一本となると、当然だが、ソニーはMFTフォーマットを最優先にするわけで、像面位相差も裏面照射もMFTが最初に搭載される。
周回遅れのフォーサーズセンサーではなく、最新鋭のセンサー=フォーサーズセンサーという図式になる。
結果、ソニーから優先度の低いフルやAPS-C規格のセンサーを買うしかないニコンは一周遅れ二周遅れのセンサーとなり、画質も悪く、AFも弱く、とてもMFT陣営についていけず、撤退していた可能性が高い。
そもそもニコンがキヤノンに食い下がれるのは最新のソニーセンサーが使えたからに他ならない。これは今も変わらない。Z9はソニーのセンサーなくして成立しない。
こうなってくると、EOS Mシリーズ以外にまともなAPS-C規格がないことになり、APS-C規格自体が早晩消え、フルとMFTだけになっているだろう。
さらに、優位な条件下でかつソニーがまともなフルセンサーを作らないなら、パナはライカにSLをOEMするインセンティヴがなく、また、Mシリーズも中身はパナなわけで、ライカのSLシリーズはこの世に存在せず、またMシリーズの更新は大幅に遅延し、いまもM9かもしれない。
逆に、M以外はMFT規格になる可能性の方が高いだろう(CLやTL)。
DJIやブラックマジックデザインなどもますますMFT偏重を強め、動画業界はMFTが席巻する。
情勢を見て、シグタムもMFTに多くをリリースするだろう。
こうなってくると、最終的にキヤノンvsMFT陣営(オリンパス、パナソニック、ソニー、富士フイルム、ライカ、DJI、シグマ)となる。
リコペンは今とたぶん変わらない。何の影響も受けないだろう。レフは売れず、型落ちセンサーのGR(今だってそうだ)を売っているだろう。
蚊帳の外すぎて、逆にすごいな。
ライカなんかよりもずっと独立独歩だ。
さすがのキヤノンも多勢に無勢だろうが、R6で一気に捲ったキヤノンである。そうそう負けまいが、最終的には負けるだろう。いくらなんでも、全方位戦争だからだ。
そして、終戦。
カメラの新しいフォーマットとしてMFTが定着する。
これは撮像素子は必ず小さくなるという法則(大判→中判→35mm版)通りだ。
とはいえ、結局のところブランド力のないパナは売れず、放漫経営のオリは赤字を垂れ流し、MFTは結局ソニーが牽引することになるはずだ。
カメラ事業はOMDSにではなく、ソニーに譲渡されることだろう。ソニーと富士はすみわけする。
つまり、最終的にはMFT(正確にはフォーサーズ)は提唱者(オリとコダック)の手を離れ、ユニバーサルマウントになるのだ。