私の父と同世代で、長年カメラを仕事で使ってきた人とビックカメラへ行った。
仕事でカメラを使っているとはいっても、写真家ではないので、ハイエンド機のユーザーではないし、最近ミラーレスという言葉を覚えたくらいカメラ業界自体に詳しいわけではない。いや、だからこそ、あ、やっぱりそうなんだ、と思った。
彼が言うには、「最近のカメラ、安っぽくない?」であった。
キヤノンのRシリーズを触って、安っぽい。でも高い、と。エントリー機のR10でさえ10万を超えていて、高い。高いだけならいいが、安っぽい、と。
そして、近くの棚にあったニコンのD四桁をもち、同じくらいの価格なら断ぜんこっちのほうが安っぽくない、と。
私も思ったのだ。
何度もニコンZを買おうとしているのだが、持った瞬間が安っぽい(数回見に行っているが買う気になれない)のだ。
少し前までそれはSONYの称号だった気がするが、いまやZもRも安っぽい。パナのS5IIも初めて触ったが、安っぽく、ちょっと前にでたG9やGH5の方が質感がよかった。
Kissシリーズは昔から安っぽかったと思うが、10万を超えたりはしなかった。いや初値は超えたかもしれないが、すぐ安くなった。フイルム時代はそもそも定価が5万くらいだった。
加速度的に安っぽくなっていやしないか?
昔のエントリー機はそこそこ質感があったのではないか。ニコマートなんかエントリー機だったはずだが、よい質感だ。
巷で売れているらしいZfcも触ったが、チープすぎて、萎えた。
MF時代のデザインを模した単焦点レンズもプラまるだしだし、Zの大口径マウントとはちぐはぐで、まるで魅力を感じなかった。正直、X-T二桁機やE-M10M3以前のオリンパスのエントリー機のほうがずっと質感が上だった。
こんなんで15万は払えん。
カメラは一般人にとっては高いものだ。
しかし、SONYのαだけじゃない。ZもRも総じてチープだ。AFがよかろうが画質がよかろうが、一般人はあんなおもちゃみたいなの買いたくないと思う。
その点、富士フイルムが躍進しているのはちょっと理解できた。
S10は鬼のように安っぽかったが、X-H2はH1からして質感が下がっていなかった。値段はだいぶあがったが。
そもそもだ、これからはAIの時代だ。
重視すべきはAFなんかじゃない。質感だ。
一般人に売りたいなら、「いいもの感」を出さないとダメだ。appleのスマホが売れているのも、appleのデザインには賛否あると思うが、iPhoneは安っぽくはなく、日本メーカーが最初に削る外装にお金をかけているのは明らかだ。
オールドコンデジが流行っているらしいが、昔のコンデジは金属外装でずっしり重く、光学ファインダーもついていたりして、今のプラ丸出しの安っぽいコンデジと比べるとデザインはダサいにしても質感はよい。重くて外装が厚めなので、頑丈そうにも見える。
正直、今のカメラの質感は1万円以下で売られていたIXYレベルになっている。
それとZレンズもいくつか触ったのだが、もう全部チープ。
Sラインもチープ。正直、ニコンが一番チープだった。LレンズやGレンズは一応高そうな感じはした。
ニコンの業績が回復しているのはコスト削減なのだろう。カメオタはなぜかメカシャッターレスのZ9を称賛しているが、あんなもん「コストカット」でしかない。
グローバルシャッターが実装されていないのだから、SONYのα1が正しい。
だって、メカシャッターが邪魔とか故障の元とかいっても、使わなきゃいいわけで、ついていて損になることはない。
なるとしたら、価格があがることだけだ。
Z8はあいにくとおいていなかったが、D850のような質感ではないのだろう。
きっと思ったよりも安っぽいのだろうなあと思った。え? こんなんが50万もするの・・・となりそうだ。
正直もう焼き畑じゃないの? ニコンは。業績回復は一時しのぎにすぎず、このまま業態変化できないとやっぱり10年後にこの会社はないと思う。
画像処理エンジンの使いまわしもコストカットだし。
オリンパスはPEN-FとかE-M1Xとかニコンとは逆方向にいってしまい、撤退したから、ニコンの判断は正しいのだろう。
そういえば、K-3IIIも触ったが、KPよりもチャチで、K-1とは比べ物にならんくらいチープだった。AFもめちゃくちゃ遅く、10年は遅れていた。