フイルムカメラの作例とかいってるひとがたまにいるが、んなもん作例もクソもないだろ、と。
フイルムカメラは同じフイルム、同じレンズ、同じ露出、同じ構図なら同じ写真が撮れる。ボディが違っても。
プロ機だろうがエントリー機だろうが。
もちろん、SSの関係で上位機種しかできない露出はあるかもしれないが、上記が同一なら写りは同一(シャッター速度やシャッター構造の関係で若干異なるかもしれないが大同小異であろう)になる。
だから「ボディの作例」とか言っても???だ。
これはフイルムカメラのパンフレットやカタログを見たらいい。
私の手元にはα-9xiのパンプがある。
作例はAF追従性、連写性能などを示す証拠画像として掲載されており、今のデジカメの写真集みたいなカタログと異なり、文字がやたら多い。写真は小さく、文字が大きい。
掲載されている写真もカメラ本体の写真も多く、今よりも本体のデザインがカタログでは重要視されていた。ジウジアーロデザイン! とか言っていたわけだが、現在はデザイナーの名前で売ることはない。
デジタル撮像素子は固定で外せない(Hasselbladなどのデジタルバックは違うけども)が、フイルムをかえれば全然写りは変わってしまうのだから作例の意味が現在とは異なるのだ。
本体デザインも空シャッターなんて言葉もあるように、無駄打ちしても無料のデジタルとは異なり、空シャッターで撮った気になるという行為が行われていた時代だ。
そして、有名デザイナーが携わったとかが宣伝文句になっていたが、今はさらさらそういうのはない。
オリPENがデザイン重視カメラ(質感も含めたもの。ZfcやZfは質感は無視されているので所有感ではなく、いわゆるインスタ映え目的=他人に見せるためのカメラであって、全然違うと思う)の最後だったと思う。
デジカメは機種というかセンサーが変わると上記が一緒でも写りが変わる。フイルム固定式カメラみたいなもんだ。
逆に言えば、こんどはレンズのテストに一般性がなくなってしまったともいえる。
同じカメラで撮影しないとレンズの比較ができない。
電子補正もあいまって、レンズの正しい評価が難しくなった(マルチマウントのタムロン、シグマレンズがマウントが変わると評価が変わってしまうのもそうなのではないだろうか。特にベイヤーのEマウントとハニカムのXマウントではシグタムの評価がだいぶん違うのはそのせいな気がする)。
レンズの作例があてにならん、ということだ。
富士はなるだけ電子補正しないという建前でこれを回避しようとしている。実際には補正していると思うが、無駄にでかいことを考えると本当にしていないのかもしれない。
E-300はオリンパス最後のCCD機だが、初期のクソみたいなCMOS機に比べ、CCDの末期(今も監視カメラなどには利用されてはいるがデジカメ界隈での話)であるだけに完成度が高く、このカメラでしか撮れないとして、今も一部で人気だ。
私も好きだ。
フイルムカメラの場合、フイルムさえ売っていれば、ボディを変えても同じ雰囲気の写真を得ることができる。
もっとも、フイルムの個体差はあるだろう。しかし、同一の配合の商品ならば、同じと見なしてよい。
しかしながら、撮像素子は数年で供給されなくなる。
ゆえに、フジカラーの写りよりも、CCDの写りのほうが早くに喪失してしまう可能性が高いってことだ。
実はCCDデジカメの写りを再現する方が難しい。古いセンサーは、一度製造が終われば、新規に生産されないから稼働する個体を探してくるしかない。
ここで富士のフイルムシミュレーションが脚光を浴びる。
機種毎に違いはあれど、センサーが変わっても同じような味付けになるようにしているのがフイルムシミュレーションである(まあピクチャーコントロールと何が違うんだという話だが)。