Camalpaca

なんかアクセスが増えて驚いてます。多くの人が見ていると思うと急に過去の文章が恥ずかしくなってきたので、誤字脱字とか雑な改行や色変えとか直そうかなあと思います。よろしくお願いしますね。いったん修正した記事も戻していくので、また来てくださいね。

【オールドカメラ#1】MINOLTA α7xi

 α7xiを入手した。
 xi標準ズームとケース付きで100円。ジャンクであった。


 しかし、グリップのゴムも殆ど白化しておらず、べとつきもせず(張り替えた個体なのかもしれないが)、ファインダーにもゴミはなく、底面には傷もなく、モルトも綺麗。大変美品であった。
 動作も問題なく、フラッシュもきちんと光ったし、シャッターも切れる。露出も問題がないように思える。
 付属していたxiズームのほうもゴムの白化もほぼなく、傷もなく、カビもなく、綺麗だった。


 私は前々からα7xiを手に入れたかった。ただ美品がなかった。とても綺麗な個体だったので、とてもうれしい。
 前のオーナーが大事にしていたのだなあと思った。30年前のカメラだし、オーナーが死んだのかもしれない。だからジャンクで流れた。

 何より予想外だったのが、実際にxiズームをつけたα7xiはすごくかっこいい、ということにつきる。
 ネットで初めてみたときは、ダサいカメラだなと思ったし、レンズなしの実機もかっこいいとは言えなかった。
 しかし、同時発売のxiズームとセットで見ると、これが大変かっこいいのだ。で、xiズームも単品で見るとクソダサで、セットでデザインされたのだなと思う。ミノルタのゼロタイムオートを使ってほしいという熱意がデザインからも見えるわけだ。

 皆さん、xiズームつきの実機を見てくださいよ。かっこいいから。

 私がα7xiを手に入れたかったのは、ゼロタイムオートという思想である。
 これは正直、早すぎた思想だったと思う。
 今の時代、スマホは常にPモードみたいなもんだし、スマホで露出やAFポイントをわざわざ設定するやつはマイノリティで顔認識でフォーカシングしているんだし、25年は早かったな!! という印象だった。今のスマホなんて、ゼロタイムオートみたいなもんだ。

 で、実際にα7xiを使ってみた。

 言いたい。

 なんでこれ使いにくいってみんな言ってたの??? と。
 超使いやすいじゃん……。
 ミノルタの技術者もいけるって思ったはずだよ。まさか叩かれようとは思うまい。フイルム一眼のくせにサイズがクソデカ+プラのくせにクソ重(体感G9より絶対重いと思うが実際はどうだろう?)なことについては弁明の余地なしだが。

 マニュアルも丁寧で、わかりやすく、マニュアルからも、この目新しい操作体系と完全オートの思想を広めたいという当時のミノルタの意思を感じる。

 たしかにゼロタイムオートはやりすぎたかもしれないけど、xiズームも電動のわりにズームがすごく早い(半端なコンデジより早い。ただクソうるさい)し、手前にズームリングをひくとピントリングになるから、ズームとフォーカスを持ち替えずに操作できるのはすごく便利だ(操作性はちと難があるが、コントロールリングのはしりみたいなもんだ)し、AFとMFをスイッチひとつで簡単に切り替えられるし、一個のFUNCボタンだけ(押した回数)で、いろいろな設定を変更できるのはシンプルでいいと思う。

 常時プリAFみたいな挙動(アイスタート)はちょっと、と思うことはあるけども、プリAFどころかプリ撮影機能なんてのをいまどきどのメーカーは搭載しているわけで、これにしても何も間違っていなかったと思う。
 それに普通の半押しAFもちゃんとできるしね。

 ミニマルでシンプル。いいじゃないか。

 α7000から10年も経たずにこれだよ?? 技術の進歩を感じないか。一番感じるのは、AFの速さだよ。なんでE-520より早いんだよ。おかしいだろ
 ファインダーもクリアで見やすく、シャッターフィーリングも悪くない。プラカメだけど、なんだろうな。高貴だよ。α7xi。
 世間の評価は、不当な低評価だよ、これ。むしろ、デジカメをよく知っているからこそ、α7xiがよくできたカメラだなと思う(私自身は20歳くらいまでフイルムが主流だった時代に生きたので、修学旅行にもデジカメなんかもってくるやつはいなかった。だって高かったし)。

 α7xi発売当時は、まだマニュアル一眼レフやレンジファインダーがまだ現役で存在(2022年現在でも2009年に事実上死んだフォーサーズを使っているやつがいるわけで)していて、オート化への反発や拒否感はまだ強かったんだろうなと思う
 ごく最近までミラーレスに対する風当たりが強かったのと同じだ。
 パナソニックが2008年に発売して以来、10年経ってもミラーレスを二級品と呼ぶ人が後を絶たなかった(事実、初期のミラーレスは2022年現在使い物にならないが、2010年発売の一眼レフは実用に耐える)が、そういった連中は、ようやくZ9で殲滅された気がする

 そういう意味ではα7xiはZ9にはなれなかったんだな、と思った。

 個人的にミノルタのカメラは使いやすい。UIの設計思想が私とマッチするのだろう。ソニーもAのUIがいいと思う。Eは微妙だ。
 α7xiの10年後にはデジタル時代がやってくる。ミノルタは路線変更すべきではなかった気がする。ゼロタイムオート思想のまま、邁進した方がよかったと思う。クラシックな操作体系に戻ってしまったのは失敗だったと思う。
 駄目なメーカーって操作体系やデザインがころころ変わる。ミノルタはころころ変えすぎた。これぞミノルタみたいなデザインも操作体系もがないじゃない?

 その点、EOSはすごい。
 今見てもEOS650はEOS感があるもの。FDマウント時代を引きずって入るけども。
 最新のRシリーズだって、まあEOSだ。
 EOSはダサいけど、EOSはEOSってわかる。今度のR7もそうだけど、たまに新しい操作を導入はするが、キヤノンは一気にガラっとは変えてこない。
 ニコンはZでデザイン変えすぎて不評だし、Nikon1シリーズもデザインが不評だったので最終作J5では面白みのないデザインになって終幕した。
 その点、EOS MシリーズはEOS感がある。このデザインの統一感は大事だと思う。とはいえ、NikonもガラっとUIを変えてはいない気がする。

 パナソニックもUIとデザインに一貫性がないから売れていない。
 その点ソニーはEマウント機はデザインがほとんど変更されないから、見てわかる。ダサいけど。
 操作体系も機種ごとにバッラバラなパナと違って、だいたい同じだ。
 もっとも、AとEではだいぶ違ったが、マウントが違うんだからユーザーも違うし問題ない。

 コンデジ界隈で生き残っているGRやRX100もデザインから一発でわかるようになっている。GRはGRにしか見えないし、RX100シリーズなんてレンズ収納状態で遠目にナンバリングを中てるのは至難の業である。
 GRはコンデジ冬の時代に売れているけど、ペンタックスブランドのKシリーズは売れていない。これもペンタックスはMZ-Sでわかるように、デザインと操作体系に一貫性がないのだ
 KPはよいデザインだったのに、K-3IIIでは前のデザインに戻してしまった。カラバリを出してみたりしたのも悪手だったと思う。カラバリで売れたという話はカメラ史上ないと思うのだが。

 次はα9xiを手に入れたい。
 なにせ、1/12000のSS、1/300のフラッシュ同調という1992年製とは思えない化け物だ。まあ7と同じく、不遇の機種だが、それだけに欲しい。

 あと、子供の頃の電子玩具が20年以上経っても案外動くんだよね。
 25年くらいまえの電子玩具を見つけて、ああ、よく遊んだよなと思い、裏蓋開けたら電池は液を垂らして死んでいた。
 交換したら、普通に動く。電子機器もわりと動くということを知った。だからジャンクとはいってもいけるもんだ。なにせ、電池は汎用品だ。

 そう思うと、リチウムイオン電池のデジカメは30年後に使えるだろうか。と思う。専用電池だから電池の入手ができない事態がありそうだ。
 かつて、電子機器は消耗品、みたいな風潮があったけど、90年代の電子機器は存外使えそうだ。少なくとも電池問題はない。むしろ、21世紀のデジカメが消耗品のような気がしてきた
 もちろん、機械式が一番長く使えるのは間違いがない。機械式は見ればわかるので、パーツを削りだしてしまえばいい。電子化以降のフイルム機も電池がなくなることはないから、使える。まあ、どっちもフイルムがなくなったらゴミなんだけどね。APS-Cみたいに・・・。

 話が逸れてしまったけど、α7xiはメーカー希望価格98,000円だったそうだ。
 そのわりには、フラッシュ内蔵、アイセンサー、AF補助光、ゼロタイムオートと金がかなりかかっている印象を受けた。ハネウェルとの訴訟を抱えるミノルタの起死回生だったのかもしれない。
 まあ、しかしうまくはいかず、ハネウェル訴訟と全オート思想のせいで、もうニコンキヤノンに巻き返せないところまで落ちてしまったのだろう。xiシリーズよりあとのミノルタのカメラは面白みがなくなる。普通のカメラなのだ。
 とはいえ、α-7デジタルの操作性はすごくいいよ。

 αシリーズというのは、根強いファンがいるけど、α7000、α7xi、ソニーになってからもα900α55/33と面白いカメラの出るシリーズだ。まあ、どれも「間違ってはいなかったけど、間違っていた」感というのがあるが・・・。
 α7000はボディ内モーターで高速化小型化を成し遂げ、初の実用的な一眼レフ用AFだったが、半分間違っていて、キヤノンのレンズ内モーターが正解だったし、α7xiは完全オート思想自体はおかしくなかったが早すぎたし、α900はミラーレス時代が始まるそのときに投入されたアホみたにファインダーに金を使ったデジカメだったし、トランスルーセントミラー機は一時期一眼レフを超える連射とミラーショックフリー、露出のリアルタイム確認という一眼レフとミラーレスのいいとこどりだったが、結局ミラーレスに敗北する。最終的にデメリットの方が大きくなってしまったのだ。