私が一番最初に触れたカメラはバカチョンカメラであった。
今ではそんな言い方しないが当時はみんなそう言っていた。だいたいは富士の「写ルンです」を指していた。家族旅行でも修学旅行でも使った。コダックの黄色い使い捨てカメラもよく見た気がする。
防水だった気もする。
なにせ当時は観光地には売っていたのだ。わざわざカメラを持っていく必要はない。現地調達である。
また、24枚撮りだし、現像代もかかるしで、パシャパシャ撮りまくることもなかった。
今の子は最初に触れたカメラはケータイ、場合によってはスマホだろう。だからパシャパシャ撮る。撮りまくる。
当時はいちいち飯を撮るなんてアホのすることだった。
当時集合写真が多いのも、全員を撮れば枚数が少なくて済むし、自撮り自体がしにくかったのはあるが、遠出先の風景や様子を撮る方が優先度が高かった。
だって自分はいつでも撮れるではないか。
それにインターネットがそもそもないか、あっても画像を見るにも一苦労する通信速度、グーグルアースなんてものもない。ちゃんとフイルムに風景を納めておかないと二度と見れないかもしれなかった。
35歳より上はまあ、似たようなものだろう。
80歳でもそんなに感覚は違うまい。
写真を配るにも、焼き増しが必須で、難度が高かった。
仲が良いでもない限りは、まあ、焼き増さなかった。グループラインに送るだけとか楽な時代になった。
焼き増しと違って、金もかからない。ホイホイ送れる。
小学生時代にはケータイは自分用を持っていなかっただろう。
30歳くらいは境目だろう。それ以下の世代は、もう1万円コンデジが売っている時代だから、最初に触れたカメラはケータイか安コンデジかのどっちかだろう。
とはいえ、まだこの時代はケータイもコンデジも画質が悪く、一眼レフまだ移行期だった。
明らかに感覚が変わるのは25歳前後からだろうか。
この年代だと幼少期の写真がデジタルである場合が増える。本人たちも物心つく頃にフイルムカメラを握ったことはないということも多いだろう。