掲示板などで「初歩的な」質問をする人に向かって、大上段から、勉強しろと言い放つカメオタは多いが、彼らは致命的な勘違いをしていることに気づいていない。彼らカメオタは、「初歩的な質問をする人」=初心者だと思っているのだが、これが根本的に違うのである。
彼らは、「カメラに詳しくない人」であって、「初心者」ではない。これは重大な認識の違いだ。
カメオタの多くは、カメラを写真を撮る道具=絵筆のようなものと考えている。
すると、カメオタの言い分はわかる。うまい絵を描きたい? 勉強しろ、となる。しかしながら、「カメラの詳しくない人」=「パソコンに詳しくない人」と同じだ。
多くの人にとって、パソコンはそれ自体、ネットをする道具、エクセルを使う道具であって、パソコンの勉強をしようなんて、ほとんどの人間は思わない。カメラも所詮は同じ。
カメオタの多くだって、パソコンに興味がないやつはそうであろう? パソコンが重いからレジストリをいじろうと思うか? 勉強するか? しないだろう。
「どこかにオートでパソコンを調整してくれるソフトとかありませんか?」と質問しないか? そうじゃなくても、「教えて君」になりさがるはずだ。特にカメオタはスマホやパソコンに疎い。スマホについてトンチンカンなことをよく言っている。デジカメ好き=電子機器マニアだと思うのだが……。
これはパソオタからすれば、頼むから勉強してくれ、と思うところだが、カメオタと違いパソオタは自覚している。
そう、
「ほとんどの人間がパソコンそれ自体に興味がない」
「ほとんどの人間はパソコンの勉強などする気がない」
「パソコンは使うが、パソコン道に入門したつもりなどない」
という事実を、パソオタは認識している。カメオタはもっと自覚したほうがいい。
価格コムで、カメラカテゴリとパソコンカテゴリを比べてみると面白い。パソコン板の住人は「詳しくない人」に大変親切だ。カメラ板のように居丈高な説教や暴言を吐かない。
パソオタは「詳しくない人」に教えるのが、詳しい人間の当然の責務のように感じる人がいる一方、カメオタにはそんなやつはおらず、「詳しい奴」=「たくさん勉強した」=「偉い」という感覚の人間ばかりだ。だから、すぐに「詳しくない人」を下にみて侮った態度にでる。
これが非常に気持ち悪い。「ほとんどの人間は写真の構図にも技法にも興味がないし、カメラ自体にも興味がない」のだと早く気付いてくれ。
「カメオタは人生でカメラが大事かもしれないが、ほとんどの人間にはわりかしどうでもいい道具」だと気付いてくれ。
そもそも、カメラに詳しいことは全然偉くないと理解してくれ(IT時代なので、実用上の観点からパソコンに詳しいのは偉いと思うが)。
ほとんどの人間が、パソコンでエクセルとネットができればいい。彼らはブラウザの種類や設定に拘ることはないし、エクセルがいくつものバージョンがあることにもまったく関心がない。バージョンによって、できることが微妙に変わってくるが知ったことではない。
カメラの場合も同じ。
「ボケた写真とやらが、とりあえずそれっぽく撮れればいい」のだ。
そうさ。とりあえず、SUMで集計できればいいんだよ。
こういうと、カメラは、完全に工業的なビジネスの道具であるパソコンとカメラは違うものだという感情論をカメオタは主張するのだろうが、これはまことに見識が狭い上にやはり見当違いも甚だしい。
そもそも、カメラが記録のために使われていることから考えて、音楽のような完全無欠な芸術と写真は異なるし、パソコンだって、藤井二冠は「将棋のために」非常に拘って自作までする。彼にとってパソコンは将棋の道にかかせない道具だ。将棋道を極めるのに必要だ。ただの工業製品ではない。
デジタルで作画する漫画家やイラストレーターもそうだ。パーツ選びから最適化するし、彼らからするとパソコン=絵筆だ。彼らの言い分で言えば、芸術のための絵筆であるパソコン及びその周辺機器(タブレット、液晶ディスプレー)に拘らないとは、こいつ、アホなのか? となる。(コンデジを使うプロがいるように、アホみたいなPC構成でデジ絵を描くプロもいるが)
逆に、彼らにしてみればカメラなんて「資料集めの写真を撮る道具」にすぎない。
つまり、「初歩的な質問者」は「初心者」ではないのだから、カメオタたちのコメントがズレにズレまくるのは必然だ。
カメラ自体には興味もない。だから入門もしない。ゆえに初心者ではない。
本当に、カメオタたちのズレにズレまくったコメント、居丈高で自分に陶酔しているような発言、見るだけでうんざりする。
カメオタは、カメラを始めるやつは「写真に入門する」という先入観を捨てよ。きみたちが思っているほど、写真は芸術でもないし、大事でもない。
※カラム※
デジカメは工業製品だがフイルムカメラは~というのこれまた拗らせたカメオタがよくいうセリフだが、ピアノが最初にこの世に出現したときに何と言われたか。
機械に音楽などできないと言われたのだ。だがそれがいまはどうだ? ピアノは楽器の王様だ。