フイルムカメラが入門に言い言う話があるが、違うと思う。
フイルムで撮るとカメラの本質がとかいいだす人が後を絶たないが、露出はデジカメでも学べる。いまどき、Mモードのないデジカメなんてないだろう。コンデジだってMモードがついている時代である。
しかも大抵のデジイチにはピントリングもあるわけで(NIKON1にはないが)、フイルムである必要はどこにもない。
バイワイヤでないレンズも格安レンズが中国でたくさんリリースされているから、機械式マニュアルフォーカスもデジカメで問題ない。
学ぶなら別にレンズ性能が高い必要はないし、むしろたくさんの焦点距離を揃えた方がいいわけだから、ますます中華の格安MFレンズが最適だ。
露出やピントの練習なら解像は不要なわけだし。
なにはともあれ、初心者にとって重要なのは数をこなして、場を踏んで理解することだ。
何事も最初はひたすら数をこなすことだ。「考える」ことが必要になるのは、「考えるだけの」経験があってからのことだ。
それなのに、いちいち現像に金がかかり、現像するまでは撮ったものが確認できないフイルムのどこが入門に向くのか。
懐古趣味のフイルム爺が言っていることは真に受けなくていい。たとえば、いまさら、WindowsではなくMS-DOSを学べ! 基本だからとか言っているようなものだ。
間違ってはいないが、間違っている。
素早く撮った写真を確認して、露出のやり方を学んでいったほうがずっと上達も早いし、モチベーションも持つ。
現像を待つなんて、その待っている間にそれじゃあ折角、ハマり始めても「冷めてしまう」。初学者なんてそんなもんだ。
それに、撮ったときの感覚を憶えているうちに、できたものを確認できたほうが、学ぶことも多いだろう。現像待ちで学べるのは忍耐だけである。
昔体罰にあったからって、今の子は体罰を受けないから我慢が足りないという意味不明な精神論と酷似しているのは老害の特徴だろうか(若いやつでフイルム入門説を唱えているなら、老害よりも質が悪い。洗脳されたのだろうか?)。
なにより、デジカメ最大の利点は金がかからないのは大事だ。初心者のうちから湯水のように金を使うか? 使わないだろう。
特にフイルムは高騰している。
10年前のデジイチなら2万もあればレンズキットが中古で買える。これ以外に、一体全体、どんな入門に最適なカメラがあるっていうのか。
そもそも、カメラの本質とは、絞りとSSとISOのパラメータの扱い方、構図、フォーカシング、ライティング、であって、フイルムかどうかは本質と全く関係ない。
極論すれば、ガラス乾板はフイルムではない。
これは、CDだろうがレコードだろうが、音楽の本質は音楽理論や、作曲作詞の感性であって、レコードでなきゃ本当の音楽ではない、ということにはならないのと同じだ。
CDは本当の音楽ではないというキチガイもいそうではある(オーオタも魔窟だから・・・)が、それをいうなら、録音された時点ですべて音楽ではない。
本質的音楽とは生だけになる。同じように、写真も「生」だけとなれば、「写真」に「生」などないので、無意味となる。「生写真」は意味が違うしね。