前から言っているのだが、光学競争の時代は終わった。
正直ね、光学的には十分なんだよ。とっくの昔に。
もちろん、内視鏡カメラや天文撮影分野はまだまだだよ。
まだまだというか、コンピュータ処理は少なければ少ないほどいい分野だから光学的な性能はあればあるほどよい。
だって補正でありもしない病理や存在しない星が観察されたらまずいだろう??
たとえばここにA77とミノルタMINOLTA AF ZOOM 24-50mm F4があるわけよ。
A77は12年前のデジカメ、レンズは1987年製なので40年近くまえだ。
しかも2倍ズームとはいえ、24mmスタートだからね。
当時のミノルタはA-7000で覇権を取るためにごりごりに資金を投じて開発されたレンズのひとつではあるらしいので、当時は高性能とされたらしい。
ズームレンズ自体は光学系が難しく、最近になってようやくマトモに使える高倍率ズームが登場したくらいではあるのだが。
さて、この24-50だがしっかりした作りで通しズームだが非常にコンパクトだ。
ゴムリングが両面テープで貼ってあるだけなのですぐ取れるが、フォーサーズ時代のオリンパスのようにぼろぼろになって崩壊するわけでもなく、両面テープで貼り直せばいいだけなので特に問題なし。
で、こいつらで撮影したのが以下である。
十分じゃない?
だから撮像素子とコンピュータ処理の時代なんだよ。もう。作例はピーカンだけど、室内でノイズがでるのはレンズのせいじゃないからね。これでいいわけ。
ミノルタAマウントはわりと数が出ていて、故障も少ない(だって事実上AFカプラついてるだけだからさ)ので格安で出回っているからいいよね。LA-EA5のおかげで使えるようになったし(Fは結局G以降しか使えないままだろうし)。
OMシステムもキヤノンもコンピューショナルフォトを標榜している。
逆に光学レンズに自身のあるニコンと、撮像素子に圧倒的技術力のあるソニーがあまり言及しないのが面白い。逃げの一手かもしれない。
しかし、だいたい新技術や技術革新は逃げの一手から始まる。一眼レフ自体がそうだったではないか。
キヤノンはもはやハードウェアではこの二社にどうにもならないところにきてしまった感があり(そもそも撮像素子の投資額が二桁近く違う)、まくれるとしたらコンピューショナルフォトしかないが、これはスマホに勝てる道理がない。
スマホは複眼カメラで、いにしえの多焦点レンズみたいな扱いなわけだが、撮像素子が数億画素でISO数万にも耐えるようになれば、トリミング自在で夜間撮影もばっちり。
足らんところはコンピュータ処理。それでも足らんなら、ネット越しのリソース(潤沢なビッグデータ)でAI処理。
そうなるんじゃないの?
自動車業界がそうだ。
アップルはEVから撤退したが自動運転はやめまい。彼らがスマホから得たビッグデータを使いたいからだ(地図情報、移動情報など)。
キヤノンはどんな優れたAIシステム(世界一であってさえ)をつくっても、データの取得元がほとんどない。これはコンピューショナルフォトを標榜するのは無理筋に思える。
コンピューショナルフォトになって勝利するのはGoogleなどのテック企業だ。