その人が一体どんな人物(カメラ愛好家)であるのかは、ライカが一体何であるか理解しているかどうかでわかると思う。
まず、「LeicaCamera社」を賞賛していたりするのは駄目な場合の典型と言える。
まだ、デジタルライカはよくない、バルナックがうんぬんといっているのはマシである。なぜならバルナックは、ちゃんと真性のエルンスト・ライツ・カメラだからだ。
まず、前提であるが、LeicaCamera社はウィルド社(エルンスト・ライツ・カメラを買収した企業)が要らないと判断したライツ社の残りカスの部分である。その証拠に、LeicaCamera社はエルンスト・ライツの名前をウィルドから使用許可されなかった。
搾りかすに、偉大な名前を名乗らせたくはないだろう。
また、カメラ以外にLeicaの名前をLeicaCamera社は使用できない。
所詮、「カメラ」だけだ。言ってしまえば、HOYAから残飯と判断されたPENTAXのカメラ部門と同じなのだ。
搾りかすのPENTAXのカメラ部門はもはや、レンズをまともに作れないのは周知のことだろう。
つまり、LeicaCamera社も同じなのだ。まともな光学部門はLeicaGeosystem社などが持って行ったので、残りのあまりの部分でしかないのだ。
そんな会社が製造したレンズを賞賛するのは、いかがなものか。
味がどうしたーこうしたーというのも、フイルムカメラは写ルンですでも味わい深いし、デジタル以降のライカレンズを指しているなら、デジタルはどうにでもなるとしか言えない。
これは幻影の話である。
実際、LeicaCamera社は現代レンズが製造できないので、たぶん、シグマやパナがつくっている。
もしかすると、Mマウントもそうかもしれない。組立だけやれば、Made in Germanyになるのだから。
組立工程を移したプロモがあるが、全部のレンズがああやって製造されているかはわからない。
そして、何より異常なのは、LeicaCamera社がエルンスト・ライツ・カメラの正統な後継者のようにWikipedia(日本語版)には書かれていることだ。
しかも、日本語版にはLeicaGeosystemの記事もなければ、ウィルドの記事もない。
異常だ――。
エルンスト・ライツ・カメラの正統な後継者はLeicaGeosystemやLeicaMicroSystemだというのに。
BtoBなので、多くの人がきっと知らないかもしれないが、LeicaGeosystemはトータルステーションやレーザー距離計を製造している。
これらには、高度な光学技術が必須だ。傾斜計なども作っている。これは手振れ補正などにも有効な技術だ。
LeicaGeosystemの光学距離計はなかなか精度がいい。
光学距離計を扱う業界では信頼性も高く、評価されている。
なのでボッシュの距離計よりもだいぶ高い。
工事現場の御用達であるボッシュよりも高いというのはそれだけ有用ってことだし、実際精度も悪くない。
私はライカのカメラを使ったことはないが、ライカのレーザー距離計と傾斜計は使ったことがある。というかめちゃくちゃ使った。
光学技術の観点からいって、こちらが後継者なのは間違ない。Leicaの名でカメラを作っているからLeicaCameraが後継者と考えるのはナンセンスだ。
LeicaGeosystem社は、ブランドだけ譲ってもらって、パナソニックが作ったカメラにロゴを貼っているだけの企業(LeicaCamera)とは違うのだ。本物の光学メーカー、「本物のライカ」である。
ちなみに、ロゴの所有権自体はLeicaMicroSystem社が持つので、ここが後継者ともいえるかもしれない。そう、LeicaCameraはロゴの所有権すらもっていない!! 調べてびっくりしたよ・・・。
そして、ライカへの大誤解が、ライカは日本勢に押されながらも自らのスタンスを歩み、今も生き残っているというものだ。
全く事実と異なる。
何度も言うが、ライツ社は倒産している。
何故倒産したか?
日本のレフに対抗してRマウント機を出したからだ。
レンジファインダーが売れなかったからだ。
独自もなにも、自分のブランド力を過信し、人様のレフ機で対抗せんとしていたのだ。
もっとも、ミノルタのOEMにLeicaのロゴを貼って売るんだから、今(パナのボディにLeicaのロゴ)とやっていることは同じで、世間を舐めた商売だったわけだが、当時のカメオタは冷静であった。
そんなアホなものには大金を払わなかったし、値付け自体が狂っていたが、その値付けにブランド力はなかった。だから倒産した。
倒産した後、本体がウィルドに持っていかれ、意に反してスリム化したからこそLeicaは再生できたのであって、再生のゆえんはブランド力でもないし、技術力でもないし、経営でもない。
スリム化したことでブランドメーカーになれたのだ。