断言する、ならない。
同じ車に20年載っていたが、電装系は最後までイカれなかったし、制御系の半導体もやられなかった。半導体は老害たちが思っている以上に頑健だ。
車だけじゃなく、実際のデジカメでも、2003年発売のE-1や2007年発売のα700、DMC-L1(2006)、DMC-L10(2007)とどれも軽快に動いている。AFに問題もない。センサーも特に不具合は見られない。
E-1なんて今年で20年経つ。
まあ、ミラーのカビは拭いたけども。
液晶に関しても、今も稼働しているエアコンが30年物なのだが、特に不具合はない代わり、リモコンの液晶が液漏れで完全に死んでおり、現在の状態が見えなくなっている。しかし、ちゃんと稼働するので、使用は継続されている。
上記にあげたカメラたちはモノクロの肩液晶も液漏れが見られない。
中古でも液漏れしている機種はあまり見ない気がするが、元来カメラは高級品なのでいい部材が使われていた可能性は高い。
半導体は可動部がないので、思った以上に頑健なのだ。
なぜブラシレスモーターに移行していったのか。
理解できないのではないか?
カメオタは知らないと思うが、半導体でできているブラシレスモーターというものがあって、これはメンテナスフリーで使える。
通常の電気モーター(ブラシモーター)はどうしてもメンテが必要で、メンテしないと壊れる。
パソコンにしてもHDDは読み出しヘッド部とディスク回転部に機械的な部位があるため、SSDのほうがずっと長く持つ。
SSDは過電流や灼熱状態に陥らない限り、半永久的に使用できる。もっとも、過電流ならパソコン自体が死ぬが。
パソコンで一番故障する部材はメインメモリなので、半導体すべてが頑健なわけではないが。逆に最も故障が少ないのはCPUで、次点が電源ユニット。
さて、フイルムのマニュアルカメラが半永久的に使えるとは本当か?
確かに液晶には寿命があるが、ペンタプリズムにも寿命がある。
そして、フイルムがないと撮影そのものができない。何かしらデジタルバックをつけないといけなくなる。
デジカメも一番破損しやすいのは、半導体部分(デジタル)ではなく、可動部であるシャッターユニット、レリーズボタン、ダイヤル、グリップの合皮などである。
グリップの合皮は撮影には影響しないが、ダイヤルやレリーズボタン、電源スイッチはまずい。
現在のデジカメもスイッチやダイヤルそのものはエンコーダにつながっているだけなので、ニコイチで修理することは可能だ。
背面液晶は液晶の寿命よりも、フレキが断線するほうが早いと思われる。
フレキはアリババでなぜか売っており、容易に修繕できる。なくてもハンダを使えば修理できる。フレキは汎用品でもどうにかなる。
シャッターユニットの取り換えは困難だとは思うが、シリアルを認識しているとは思えず、交換はできそうだ。もっとも、電子シャッターのみにすれば撮影自体はできるだろう。
で、撮像素子や画像処理エンジンが壊れることはあるだろうか。
もちろんあるが、これは先に述べた部材よりもはるかに壊れにくい。
数十万回切ればシャッターユニットはイカれるが、撮像素子がイカれた話はあまりきかない。
撮像素子の破損はむしろ長時間露光や、直射日光の照射によってもたらされるだろう。これは撮影者の不手際だし、半導体は思った以上に当たりはずれがあり、壊れる場合は結構早めに壊れるので、初期不良もしくは補償範囲内だったりする。
また、機械的な部位は寒暖差に弱いが、半導体はそういうことはあまりない。ただバッテリーユニットは寒暖差に弱く、ダメージを受ける。
よくきくのが、バッテリーがなくなったら終わりという意見だが、リチウムイオンは規格化されていて、形さえ整えればセルの交換でどうにかなる。
自己責任ではあるが、できないことはない。終わりではないのだ。それに、ACアダプタを直結することも不可能ではない。特にACアダプターがオプションにある場合、改造は容易である。
むしろ最近の、というかAF化以降のカメラで問題となるのはプラ部材だろう。
デジタル部材よりもこっちが問題だ。
カメラを分解するとわかるが、AF用の歯車などもわりとチャチなプラスチックである。
エンプラの技術は進歩しているが、α7000が37年前である。このころのプラの材質は今よりもずっと悪く、経年劣化でだめになっていることも多いだろう。
ミノルタはとくにプラ部材の質が悪いのか21世紀のα-7Dですら底面がバッキバキに割れていることが多く、辟易する。
このへん、ミノルタのレンズは頑丈なのに本体が・・・と言われるゆえんだろう。レンズは外装金属だしね。ジャンクみたいなやつもちゃんと動いてびっくりする。まあ、カビすごい場合が大半なので使いたくないけども。
そう、デジタル化というよりはAF化に伴うプラスチック比率の上昇が問題だ。
昔のレンズはほぼ金属でできていたが、今のレンズは高級品でも分解すればわかるが、中身はチャチなプラのAFボックス、両面テープで張り付けているだけ、とかある。
両面テープは、カメラボディの話だが、AW1前面パネルが両面テープ止めで、防水カメラなのにいいんかねと思ったの内緒である。もっとも防水だからこそ密着させる意味もある可能性はある。
オリンパス12-100も前玉回りの部材は両面テープ止めらしい。15万もするのに??
まあ、びっくりはするが、両面テープ、案外頑丈で、LEICA D VARIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-3.5のゴムリングは両面テープなのだが15年経ってもまあ、ちゃんとくっついてる。
で、ミラーレスになってから(というか完全電子マウント)というもの、ボディにはAF機構がなくなった。
その代わりレンズが壊れやすくなったのは事実だろうし、レンズは資産といえなくなっているのも事実だろう。
完全電子化マウントのせいで単純な筒でしかないアダプターを介して使う、という使用法ができなくなったし、RFのように補正に頼ったレンズマウントだとますますむつかしい。
「使えなくなる」が破損の意味ではなく、「システムフォーマット的に使用に耐えなくなる」という意味なら20年後にMFTはたぶん使えない。そこは事実だろう。EFやFもそうだ。
また、レンズの絞りもフォーカスもエンコーダ読み取りになったせいでマイコン付きアダプターがないと他マウントでは使えないばかりか、電子部品が死ぬともう使えない。
これは電子部材の寿命問題というよりも、延命がしにくいということだろう。
ズイコーデジタル ED 12-60mm F2.8-4.0 SWDやDT 16-50mm F2.8 SSMは、完全電子マウントでかつ21世紀のレンズにもかかわらず、フォーカスについては機械的に扱える。
絞りリングはそもそもない。現在、このようにフォーカスが機械式の完全電子マウントレンズはない。
このことは延命に影響する。
たとえばAマウントならAFができなくても、機械式のMFで延命は可能だが、Eマウントの場合、AFできないならMFもできない。MFもエンコーダで読み取りモーター駆動だからだ。
もうとっくに死んだマウントのオールドレンズたちはマウントアダプターによって延命されているが、ベンダーロックされ、かつ補正なくして使用に耐えないRFレンズ群を延命するのは難しい。
マイコン搭載のマウントアダプターを用意しなくちゃいけないし、それはライセンス違反で訴えられる可能性が高く、また、EFのような単純なUART通信ではなく、おそらく暗号化されているので、素人で解析は難しいからだ。
個人的な考えでは、ミラーレス化でデジタル化が進行したのはレンズである。
ボディはα-7000以降、電子化の波にさらされてきたが、レンズは遅々としていた。キヤノン以外。
Gレンズは最近の話だし、SONYのAマウントもあまりリリースされずミノルタのリッパッケージばっかりだったし、Kに至ってはやっとここ数年で電子化されたに等しい。